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あなたの…【鬼滅の刃】 短〜中編

第10章 現代鬼殺隊  【竈門】



奏にも不審な女の姿が目に入る。


きっとあの女が鬼なのだろう。
静かに木々を飛び移り、気づかれないギリギリのところまで寄る。
刀を腰元に差し込み柄に手を添えた。



ーーーーーーーーー

『ねぇ、君たち?』


「?なんすか?」

『お願いがあるの。今、とっても苦しくて…。』


そう女が膝をつけば高校生たちは心配して駆け寄る。
その瞬間、女の口角がニヤリと上がった。
ギッと顔を上げた女の瞳孔はネコの目のように縦長で、人間のものではなかった。


「ひ、ひぃ!!!」


奏はグッと足に力を込めて攻撃をしようとした時…



「全集中!!」

「えっ…」

奏の目の前を通って行く赤みがかった髪。

「水の呼吸 壱ノ型 水面斬り!!!」


その声と共に美しい水の流れが見えた。
女の背中を斬りつけ、すたっと着地する。
高校生たちを後手に庇い日輪刀を構える姿を見た奏は目を見開いた。



「たん…じろうくん…⁉︎」




どうして彼がここに…。
そして自分と同じように刀を手にし、構えをとっている。
使う呼吸は違えど、どうやら鬼を退治する立場には違いがないようだ。




「皆さん、お迎えは⁉︎」
「も、もう少しでっ…」


炭治郎が高校生の心配をする。
しかし、腰が抜けてしまって立ち上がれなさそうだ。


鬼の腕がメキメキと音を立てながら関節が2つ程増える。
最初の綺麗な女の姿はもうそこにはなく、あるのは得体の知れない者の姿だった。


『…貴様…鬼狩りか…。』


「これ以上危害は加えるな!!」

『黙れ!!私の手下にしてやる…』

女の口は段々と横に裂けて行く。


その姿は

「く、口裂け女ァァァァ!!!」


高校生たちが叫ぶ通り、都市伝説や怪談話に上がる口裂け女だった。





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