第9章 現代鬼殺隊 〜プロローグ〜
放課後、奏は言われた通り歴史の授業のプリントを集め、社会科準備室へと向かった。
(いつもは私に頼まないのに…炭治郎君とかなのに。
…やっぱり私の存在に気づいてしまったのかな?その事を聞かれたり…?)
奏は難しい顔をしながら、準備室まで来てしまった。
「はぁ…。」
ドアをノックしようとした時。
「んむ⁉︎」
「そんなデカイため息つくと、幸せが逃げちまうぜ?」
と、宇髄の大きく綺麗な手に口を塞がれる。
(え⁉︎何⁉︎なんで宇髄先生⁉︎そしてこの手は⁉︎)
奏の頭がぐるぐると回り、とにかく年頃の女子にはこのシュチュエーションは恥ずかしい。
顔を真っ赤にする奏を見て、宇髄は満足そうな顔をする。
「よぉし。これで候補に俺も名を入れられただろう。」
「こうほ…?」
口を解放され、首を傾げながら宇髄を見る。
こうほ…とは何のことだろうか?
ガラッ
「うーずーいー!君という奴は!!」
そこには、煉獄が鬼の形相で立っている。
なかなかこんな表情は見ることがない。
コホンと咳を払い、奏の方を向く煉獄。
「西ノ宮さん、すまなかったな。何もされなかったか?
プリントもどうもありがとう。そこのボックスに入れておいてくれないか。」
煉獄に指を差された先は奥の机の脇。
(なんなら先生がここで受け取ってくれても良いのに…)
奏はとにかく煉獄と長時間関わりたくなかった。
早くこの場から去りたい。
「し、失礼します。」
足早に机の脇に向かい、言われたボックスにプリントを入れる。
そして、ぐるっと振り返り出口に向かおうとすると…