第9章 現代鬼殺隊 〜プロローグ〜
「…!!」
「血気術…」
奏が間に合わないと思いつつ抜刀しようとした。
その時
「炎の呼吸 参ノ型 気炎万象!!」
ゴウッと、激しい炎が円を描くように上がり、鬼に斬りかかる。
頸を通り、抉るように心臓も斬りつける。
すると、今度こそパラパラと塵になって消え始めた。
「…大事ないか?」
煉獄が振り返ると、女性が綺麗な状態になって横たわっていた。
掛け布団も掛かって。
しかし、黒猫の半面を掛けた夢の呼吸の使い手は、既に姿形も無かった。
「むぅ、黒猫の半面…見た感じ女性のようだな。
彼女が俺たちの探す鬼殺隊なのか?」
そして、ふわっと香る。
「またこの香り…菫…?」
その香りを残して。