第9章 現代鬼殺隊 〜プロローグ〜
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「炭治郎くん、おはよう。」
「おはよう!今日も頑張ろうな!」
校門前で挨拶を交わす男女。
キメツ学園 高等部1年
西ノ宮奏と竈門炭治郎だ。
二人は同じクラス。
朝大体校門前で出くわすことが多い。
そして…
「奏ちゃぁぁん!おはよう〜!」
と、奏に挨拶をするのは
2年で風紀委員の我妻善逸。
彼は女好きであるが、高等部では奏が大のお気に入り。
中等部では炭治郎の妹、禰󠄀豆子がお気に入りである。
「炭治郎、ここを通る時くらい耳飾りを外してきてくれよなぁ。
じゃないと…」
善逸がそう言った時、ピピーッとホイッスルが鳴り響く。
「…ほら。」
「竈門!何度言ったら気が済む!耳飾りを外せ!!」
そう言って竹刀を片手に仁王立ちするのは、
体育教師の冨岡義勇。
「すみません!それだけはできません!!」
炭治郎が頭を下げると、ブンッと足元の低い位置に竹刀が振られる。
炭治郎の隣にいた奏も、とばっちりだ。
2人はその竹刀をヒョイと飛び越える。
「先生!なんでいつも私まで!!」
奏の訴えも虚しく、逃げる炭治郎を冨岡は追っていってしまった。
「もう…。善逸くん、それじゃ。」
はぁ、とため息をつきながら昇降口へと向かう奏。
「あ、うん。またね。」
善逸はそう見送りながらも、いつも疑問に思っていた。
「…奏ちゃん、鬼殺隊にいなかったんだよな。
なのに冨岡先生の攻撃を避けられるなんて。すごいなぁ。」
ポツリと疑問を口にした。