第8章 愛情表現 【我妻】
「今、なんて?」
私が聞き返すと、顔を真っ赤にした善逸くんが顔を背ける。
「だから、俺…奏ちゃんに告白しようとしたんだよ。」
「ま、まって!告白するってのは、好きな人に好きって伝えることなんだよ⁉︎」
「そんなの知ってるよ!
俺は奏ちゃんが好きなんだよ!!」
そんな、そんなはずないじゃない。
じゃぁ、何でずっと冷たくしたの?
「俺、中等部にいた奏ちゃん見て、一目惚れしてたんだ…。
でも、奏ちゃんのこと見るたびに、素直になれなくなっちゃって。」
「何、その小学生みたいな理由…」
「しょ、小学生…!」
「そうよ!ずっと嫌われてるんだと思ってた!」
「ちがう!ずっと好きだったの!でも、いざ目の前にするとツンケンしちゃって、素直になれないこの気持ち分かる⁉︎」
「他の女の子にはデレデレしてるくせに!!」
私は嬉しいのと、今までの不安とぐちゃぐちゃな気持ちになって、善逸くんに当たり散らした。
でも、なんで善逸くんまで言い返してくるの⁉︎