第8章 愛情表現 【我妻】
入学して一年が経とうとした。
私の冷たく当たられる辛い片思いも約一年。
流石に堪えてきた。
「もう、諦めようかな。」
『えっ!!』
そう驚くのは炭治郎くんと伊之助くん。
お昼休み、廊下でたまたま会った2人と歩きながら話す。
「ど、どうしたんだ?今まで想ってきたんじゃないか!!」
「そうだぜ!何で諦めるんだよ!!」
2人がどうしてこんなに慌てるのか、
不思議に思ったが、今まで応援してくれたのだ。
簡単に諦めるなと言っているのだろう。
「ありがとう。でも、善逸くんは私には本当に興味がないと思うの。
どれだけ話しかけても冷たいし、他の女の子にデレデレだし。」
「それは…」
炭治郎くんが何かを言おうとしたけど、結局その後の言葉は続かなかった。
やっぱり、友達間でもアイツはないって話でもしてたんだろうか。
すると、伊之助くんはダダダ…と走り出した。
「い、伊之助くん⁉︎」
「伊之助⁉︎」
私と炭治郎くんが驚いていると、どこから察知したのか
不死川先生が鬼の形相で走って来た。
「まてぇコラァ!!!」
「あぁ…。伊之助くん、無事であります様に。」