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あなたの…【鬼滅の刃】 短〜中編

第7章 初恋  【悲鳴嶼】



2週間など、思ったよりもあっという間に過ぎ去った。

今日は8月23日

行冥12歳の誕生日。


「行冥、今日はご馳走だぞ。
奏がお前の好きな炊き込みご飯を作ってくれた。
随分と腕がいい。楽しみにしていなさい。」


…きっと奏は内緒にしたかったのでは。
そう思ったが、住職も行冥を喜ばせようと思って言ったことだろう。
もし奏が驚かせようとしたら、それに応えるつもりだ。


その時、1人の男が寺を訪れた。
歳は40手前くらいか。
何やら住職と話をして、台所にいる奏を見ている。
そのうち、奏が呼ばれ3人で話していた。


正直、とても気になったが、入っていくわけにもいかず、その男の動向を見ていた。


しばらくして、男は静かに帰っていく。




「行冥、夕飯にしよう。」

住職に呼ばれ、行冥は先程の男が気になったが
居間へと向かった。


夕飯と言われて向かった居間の卓袱台には、すでに料理が乗っていた。
お浸しに、煮物、白和、味噌汁。
豪華…というわけではないが、いつもと違うのは明らか。

ちょっと焦げくさかったり…


これは、明らかに大人の住職が作ったものではない。


すると、くん…といい匂いが鼻を掠める。


「さ、行冥。今日はお前の誕生日だ。
奏が夕飯を作ってくれたぞ。」


「おたんじょうび、おめでとう。」
行冥の掌に書かれた文字。


「住職、ありがとうございます。」
「奏も、ありがとう。」

毎年、住職が祝ってくれた。
しかし、今年は奏という存在が一緒に祝ってくれて、何より嬉しかった。


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