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【呪術廻戦】infinity

第64章 生き方




『っ、おい、あそこ…!』


千春が指さしたのはビルとビルに挟まれた小さな道。
私には何も見えないが、近づくにつれてそこに誰かがいることに気づいて。


「…!」


それが知り合いであると認識した時には、一瞬足が止まってしまった。


「棘!!!!」


既に、ぐったりとした様子で壁に背を預けていた。

まず、心肺確認。
脈はしっかりしていた。

次に、止血。
棘の腕が片方無くなっていた。
自分の止血をしていた布をとって結ぼうとしたけれど、千春に止められた。


『札にしろ』


最後に、腰についているポーチに入っている札を取り出して、棘の傷に巻き付けた。
何枚も使って、傷を覆った。


『どうする』
「…硝子の所に連れて行く」


またあそこまで戻るのは避けたいが、棘の怪我の方が心配だ。
術式を使って棘の体を浮かして、今まで通り走って移動。
ここで敵に相対したら面倒だけれど、早く硝子の元へ行きたいので最短経路を選ぶ。


『さっきの斬撃か』
「多分」


千春も棘同様に浮いているが、その分周りを見てくれるから私は疾走に全力を濯げる。


『……ん、待て』
「ん?」
『あれは……乙骨か?』


おっ、こつ。


パッとその方向を見ると、確かに憂太のような人影がある。
よく集中すれば、憂太の呪力も感じる。


先に手を振ってくれたのはあっち。
私は応えるように憂太の方へ向かった。


「…!狗巻くん!?」
「生きてる」
「…それは良かったです」


しばらく会わないうちに変な落ち着きを身につけたようで、こんな状況でも変わらない笑顔を浮かべていた。


「いつ戻ってきたの?」
「数時間前です。呼ばれたもので…」


誰に、なんて聞かなかった。


「五条先生のことは聞きました。だ、いじょうぶですか?」
「結構やばい。上も暴走してきてるし、多分御三家の方はもっと混乱してると思うし…」


憂太は愛想笑いを浮かべて、そうじゃなくて…と言った。
言葉の意味はよく分からなかったけれど、先に千春が話を進める。


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