第64章 生き方
色々不満があるようだが、悟を優先すべきという考えは同じようで。
「いいっすか。今、五条先輩と八乙女先輩、それと夏油先輩は指名手配中です」
「『え?』」
「まぁ、まだ施行はされてないと思いますが、時間の問題です。ちなみに、夜蛾学長もですよ。あの時代に関わった人はもれなく殺される予定です。だから、敵味方はちゃんと把握してくださいね」
私がママ……紅さんと色々やっている間に、上はかなりの荒業を仕掛けているようだ。
いや、荒業じゃなくて当然か…。
これが上のやり方だ。
「硝子は?」
「彼女はその才故にノータッチ。殺されることは無いですよ」
それならいい。
「硝子のことは絶対守って。お願い」
硝子のことだから簡単には死なないと思うけれど、あの悟の動きが封じられたくらいだ、心配くらいする。
硝子まで失ってしまったら、私は……わたし、は……。
「任せてくださいっ」
『…先程の死刑のやつは、その本人を殺せばこの戦いが終わると思ってのことでは無いよな?』
「…どゆことです?」
千春は呆れた様子で吐き捨てた。
『千夏らが死んだら、誰がこの戦いを終わらせるんだ』
「…さぁ。上の考えてる事はいつだって自分らの保身ですから」
今までの様子から、百鬼夜行のような戦いだ明らか。
これはどちらか片方が全滅するまで続く、理想と理想が衝突した戦いだ。
「あ、こういうこと言われると首飛ぶなぁ…。ま、私はしたいようにやるんで。先輩たちもそうしてくださーい」
最後まで明るい和田さんでいてくれたことに感謝して、私たちはひとまず別れることにした。
周りの景色が変わってしまったことで方向感覚が分からなくなってしまったけれど、とりあえずこの砂漠のような場所から離れたい。
「なかなか広いな…」
『何があったのか把握したいところだが、そんな贅沢は言ってられそうにない』
ほとんどのものが木っ端微塵になった領域を抜けると、普通のビル街が現れる。
線一本で分けられた領域はとても不気味だった。