第64章 生き方
突然の事で、何が起きたのか分からなかった。
気づいたら千春の簡易領域内に入れられていて。
『簡易領域だ!早く!』
領域の製作を求められた。
「くっ…」
少しづつだけれど、領域が削られていく感覚がある。
この領域でも耐えられない攻撃…。
どこからの攻撃だろうか。
しばらくして、領域を解くと────
「…」「…」『…』
言葉が出てこないほどに、目の前が……いや、全方位が、殺伐とした景色となっていた。
『…ふぅ。両面宿儺だろうな』
唯一、回復が早かった千春は、自分の服の袖を切って長方形の形にし、私の腕を縛った。
幸い、傷は深くないため、戦闘に支障が出ることは無さそうだ。
「……このレベルの戦いとか、まじで無理なんですけど」
「…正直舐めてた」
千春と違って、私は両面宿儺の本気を見たことがない。
”悟と宿儺、どっちが強い?”
”僕に決まってるでしょ。絶対勝つよ”
つまり、私が叶う相手でないことは、目の前の光景から簡単に分かってしまう。
ならば、みんなを、大切な人を守るためには、いち早く悟の封印を解かなくてはならない。
『和田花子』
「フルネーム…」
『今すぐあのゲーミング女と合流して運を貰ってこい』
「え、一緒に来てくれないんすかっ!?またこんな攻撃来たら怖すぎるって」
『安心しろ。もうこの場に壊すものは無い。私らを殺すならこんな派手なことはしないだろう』
……千春、違うよ。
「…そーゆー事じゃないって。ちょっと、八乙女先輩!あんたの姉、ちょっとおかしい!」
「うん。千春はちょっと……ズレてるよね」
『そうか?』