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【呪術廻戦】infinity

第63章 望まれた暁には死を




少し経ってから、人1人通れるほどの隙間が、門に与えられた。


「千夏さん、無事で何よりで……」


そして、その人は横にいる人。
ママの顔を見て..。


「やっほ」
「……な」


唖然とした。


「静江さん、まだ働いてたの?」
「…生きてたの?」
「んー。死んでたけど生き返ったの。中入るよ」


おいで、と。
ママは先導する。


『大丈夫?』
「今止まったらおわる」


石のように固まっている足を叩いて、何とか後ろをついて歩く。


「ち、千夏さん…!」
「今は何も聞かないで。お願い」


聞かれても答えられないから。
とりあえず今は全部終わらせて、悟を最短で救いたい。


「あ。悟のことは…」
「はい。報告は来てます。それで結構バタバタしてて…」


そんなやり取りをしているうちに、ママは奥に進んでいく。


「ママ…!」
「だーいじょーぶ。場所は分かるから」


その一言で私とこの人はやっぱり似ていると思った。
そして、この人がとても羨ましくなった。
私だって堂々とこの家を歩きたい。
捨てた生き方をもう一度拾い直したい。


”こっちは行ったらダメだからね”


悟にそう言われ、おばばも私を連れて行こうとしなかった場所へ足を踏み入れている。
なんだか空気が重くて冷たかった。
そして何より、とても静かだった。


「ねぇ、ママ…!」
「何」


ママの顔には汗と眉間のシワ。
それでも足は止めてくれない。
むしろ早くなるばかりだった。


すると、ひとつの部屋の前で足を止めた。


ここなんだ、と…。
ふと、ママを見てみれば微かに震えていた。


が、


手を差し伸べるより先に、ママは障子を開けた。


香る線香の匂い。
じめっとした空気。


そこで横たわる人に向かって、ママは鋭い眼光を降り注いだ。
綺麗な紅色の目で。



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