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【呪術廻戦】infinity

第63章 望まれた暁には死を



*****


────千夏



「ん?どした?」
「いや…」


誰かに呼ばれた気がした。
そんな声が、この騒がしい場所に届くわけないのに。


「そろそろ行こ」
「もういいの?」
「うん」


目指すは悟の元。
傑はきっとそこにいる。


心身の出発の準備が整った時、千春が帰ってきた。


「どうだった?」
『無理』
「だよね。あの子が私の言うこと聞くわけない」


私は誰かを守りながら戦えない。
せめて、七海ちゃんと合流してくれればいいけれど…。


「それで。今向かってるの」
『戻るのか』
「うん」


傑を殺せばおしまい。
殺せば、おしまい。
簡単な事だ。


「あ、ここから呪霊沢山いると思うけど、私術式使えないからね」
「呪具は?刀ならあるよ」
「…もう。守るって発想はないわけ?」


正直、ない。
だって


「ママ、強いでしょ?」
「…言ってくれるね〜…」


頭はいいけど、動けないかもしれない。
それでも、ママは強い。
強くなかったら、千春が今の状況を容認していない。
私の荷物になるものは、どんな理由があろうと、全て排除しようとするはずだから。
悟も、野薔薇も、その他の人たちも…。
1度は消されかけている。


「千春」
『ん』
「今度は反対しない?傑のこと」
『ああ。あれは夏油じゃない。私の…私たちの敵だ』
「…良かった」


私は上手く笑えただろうか。
彼を殺す人間として、適切に笑えただろうか。


『この先は一般人……残ってる人たちの混乱、そして、呪霊の暴走』
「一般人は任せる。呪霊は私ね」
『できる?』
「やるしかないでしょ?」


傑が生きていると舞い上がっていた日々はなんだったのか。
本当に……自分を嫌いになる。


「なんか頼もしい…」
「え?」
「…千夏ちゃんは周りの安全が第一、千春ちゃんはローリスクのためなら犠牲を払わないタイプ」


今までの私達を何も知らないはずなのに、的を得ている言葉。
少しだけ足が遅くなる。


「でも、2人がいれば両方叶う。ローリスクで皆を救う」


違う。
それが出来ていれば、こんなことには


「最強じゃん」


───


『違う。千夏が特別なの』
「あら。そっちの方が好み?」
『好みとかじゃない。事実だ』












────ち な つ






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