第63章 望まれた暁には死を
「分かったよ。つまり、烈日呪術を使って閉門した奴を説得する」
「説得?あいつ、頑固だよ?」
「開門するしかない状況を作るの」
「私が?」
「そう」
「どうやって?」
それは……
「然るべきときに、領域展開をする」
それは
「だめ」
「どうして?」
「私、上手くできないの」
「大丈夫」
「どうして」
「だって、私……全部知ってるから」
私が領域展開をして、状況が良くなった試しがない。
このママの笑顔はハリボテなのか、それとも────
「私はあの家に何年も、何年もいた。勉強も沢山した。門外不出である烈日呪術についての知識も頭に入ってる」
「じゃ、あ…」
「千夏ちゃんが失敗した理由も、最強の使い方も知ってる」
真実かどうかは知らない。
でも、千春は否定しなかった。
突っかからなかった。
「し、信じます」
「そうして。んじゃ、行動開始」
肩をぽんと叩いて。
私は置いてかれる。
「あ、そうだ。これ聞いていいか分かんないんだけど…」
いつだってそうだ。
私は何もしてないのに。
「五条悟って、あんたの恋人?」
ずっと不満だった。
私はお荷物になりたくないのに、悟は私を守ろうとする。
悟がいなかったら、きっとずっと前に死んでると思うけど、それでも、私は守られたくなかった。
悟は私を守って、私は悟を守れない。
だって、悟は最強だから。
弱いところは見せてくれない───最強だから。
辛くても辛いって言わない───最強だから。
いつも何でも、1人で解決しちゃう。
彼のことは大好き。
だけど、彼は私に大きな傷を与えてる。
「違う」
再会したあの日から、ずっと。