第62章 私がそう言った
”ごじょー…”
”まじで、どういうつもり?”
”今日は遊べるかなーって!”
相変わらず2人の温度差は大きい。
当然だ。
ここでちらりと視線が合った。
”今日も忙しいの?”
”…”
”…?ごじょーくん?”
”…俺の目、見て”
”うん!キラキラしてるよ?”
”…”
”本当に綺麗だよね!ずっと見て、ら…れ”
ぱたん、
千夏の体が傾く。
地面に打ち付けられる前に軽く支えて寝かせてあげる。
周りから見れば幼子が倒れた様に見えるので、そっと塀の影に隠した。
”まだ扱えないのか”
”でも、すぐに使えるようになる。あと少しでコツは掴めそうだし”
この子を当てにすると決めてから、できる限りの範囲で五条家の知識を呼び起こし、五条悟という子供について調べた。
まだ扱いきれていない相伝の術式を当てにするのは少々危険であったが、顕現してから間もない割にはかなり扱えている。
天才と言われる所以だろうか。
”で、何?てか、これなんだったの?”
五条悟が差し出したのは花冠。
実はこの花冠に細工をしておいた。
呪力を持つ人間に触れられると、勝手に言葉が伝わるように。
もちろん、千夏の力を勝手に借りて…。
伝えた言葉は…
千夏の意識を飛ばしてくれ。話がある、と。
まぁ、こんな感じだ。
”どうやったの?”
”秘密”
”…まぁいいけど。調べれば分かるし”
それはどうかな?なんて思いながらも、私の姿を見ても驚かないタフさは認めよう。
”私はこの子の姉だ”
”呪霊なのに?”
”呪霊じゃない。怨霊と言えばわかるか?”
”…何となく?とりあえず、呪力の感じから危険な感じはしない。この子とほとんど同じ呪力を纏ってるね”
適応力、思考力、判断力。
流石としか言いようがない。
普段、千夏としか話さないからか、とても心地よい会話のテンポだった。