第61章 封
「そっか……そのくらいか、出会っててもおかしくない」
『そろそろ限界か?』
「…まだ、死ねない」
呪力がなくなれば、その体は死んでしまう。
ママもいつかは…。
「アイツに、復讐するまでは…」
「…悟のお父さんに復讐したいの?」
「…手伝って、くれるの?」
ううん、そんなことできない。
そう言おうとしたのに。
『条件次第でな』
え?
「条件とは…?」
『あんたの頭脳と知識を貸せ』
千春は私の背中を静かにつねる。
黙ってろ、の合図。
「…そしたら、千夏ちゃんを貸せ」
『ああ。もちろん』
私はモノか?
少々不満。
『千夏。紅さんに呪力を』
「を、どうするの?」
『あげて』
「どうやって…」
「反転……って、そうか、今は使えないんだったな」
それなら、ママに近づいて術式を解けと言ってきた。
術式は解きたくないから流石に断ったけれど、よく考えればママに術式は効かなかった。
それも血筋だからなのか?なんて思いながら、術式を解くことなくママに近づいた。
「ママは術師だった?」
「高専には通ってたけど、呪術師として働くことはなった」
徐々にママの顔が和らぐ。
私の呪力が効いているのだろうか。
「どんな術式だったの?」
「…大したものじゃない。千夏ちゃんは?」
「私は”烈日呪術”っていう…」
その時だった。
ママの目が大きく見開かれたのは…。
『何も言うな』
「…ははっ。そうかぁ…」
烈日呪術っていうのは、こうこうこういうものでね…なんて説明しようと思ったのに。
だって、どの本を読んでもこの術式が書かれていなかったから。
でも、ママはこの術式を知っていた。
この人は…何でも知っているの?
「烈日呪術なんて…なんでママ、知ってるの?」
随分楽になったのか、ママは私の顔を指さしてにやりと笑う。
「千夏ちゃんは正真正銘、私とアイツの子供だよ」