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【呪術廻戦】infinity

第61章 封



その体に数日まともな食事を取っていないひょろひょろが適うとは思っていない。


「なんだそれ、怨霊?」
「…」


せめて、何か軽く食べればよかった。
お腹は全く空いていないし、食欲もないけれど、少しくらいお腹に入っていた方が体は安心する。


「そんな警戒しないでよ。せっかくあのババアから離れてやったんだからさ」
「え?」
「だから、私は孫でもなんでもない。大葉紅なの」


全く意味が理解できない中、千春は何やら言いたいことがあるようで。


『お前だから悪いんだろ』
「はい?私のこと知ってるの?」
『主導権を握ったのは奇跡だと思うが、大人しくあの世へ戻れよ…!』
「なんでよ。少しくらい楽しんだって…」
『帰れ、クズが』
「あ?」


慌てて千春に寄り添う。
なんでこんなに喧嘩腰をとるの?


「…知り合い?」
『違う』


凄く殺気立ってる…。
怒ってる時の千春は私でも怖い。


「なんでそんな突っかかってくるのか知らないけど、折角の現世だし楽しませてもらうよ。じゃあね」
『どこに行く』
「なんで教えないといけなの」
『言え』
「…はぁ。私の可愛い坊ちゃんのとこ」


何も確信は無いけれど、これ以上聞いてはいけない気がして。
あの人の顔が浮かんでしまいそうで。


「っ…攻撃する気はないって言ってん」
『私もない』
「じゃあこれは何っ…」
『…』「はぁ…?」


ふたりがモゴモゴと話すせいで、何も聞こえない。
聞こえるところまで近づこうとすれば、千春が体ごと押し返す。


「なるほどねぇ…」


情報をほとんど持たない言葉が聞こえると、彼女が私と目を合わせた。


「えっと、名前はなんだっけ?」
『…千夏』
「千夏ちゃん、こっちおいで」


破れたパーカーの袖が垂れるのを防ぐために、手首のゴムを上の方へ手繰り寄せる。


『…』
「…なによ、ダメじゃん。嘘ついたの?」
『愛情を感じないからだろ』
「まぁ、ないからね」

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