第61章 封
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『どうするの?』
「あっち。なんか変な感じがするから行く」
今は恵達と一緒にいられない。
誰かを守るなんて責任を負えるとは思えないから。
『…』
「どうした?」
千春の様子が少し変。
本人は大丈夫だというけれど、少し気になってしまう。
今、千春に何かあったら私は……どうなってしまうのだろうか。
(ここ…)
この地域、渋谷で最も高いビルの入口にやってきた。
無意識に飴に手を伸ばす。
「中に呪霊いっぱい。上にあがらせたくないのかな」
『つまり?』
「上に何かある?」
『正解。行こう』
ガリガリと飴を噛んで飲み込む。
呪霊が沢山いても、必ずしも中を通る必要は無い。
私は一定時間から飛べるし、ある高さまでジャンプするのも得意。
ぴょん、と軽く地面を蹴って術式を使う。
そうすればあっという間に屋上を見下ろせた。
(大人が4人…子供が2人)
相手は既に私に気づいていたらしく、特に驚く様子はない、
「こんばんわ」
見ただけで分かる。
この人たちは1人残らず腕がたつ。
「へへ…まさかお前が来るとはなぁ…」
気持ち悪い笑い方。
「待っててくれたの?」
返事は特にない。
待っててくれたのなら、それなりに構ってあげようと思ったのに。
「まぁいいや。とりあえず、この内側の帳を壊したいんだけど」
「…はて」
…もしかして見当違いだった?
ただ、気配がある方へ来ただけなんだけど…。
そもそも、この帳をかけた人って中にいるんじゃないの?
それに、この帳を壊したら、例の呪霊が外に出てしまう。
いいの?
『あそこにあるやつを壊せばいい』
…まぁ考えても難しいことは分からないから、そういうことは全て千春に任せる。
だって、今は千春がいるんだもん。
千春の言うことを聞けば間違いない。
「五条悟に加えて、お前まで殺せたら…ひっひ…一生自由だな」
「誰を殺すって?」
皆して、殺す、殺す、殺す…。
どうして人を傷つけてまで、自分が幸せになろうとするの?
「オガミ婆。頼むぜ」
「はいよ」
皆、人を傷つけなくても普通に生きられるじゃん。
それでいいと思わないの?
私はそれすらできてないのに────!!