第61章 封
「作るのに時間かかっちゃう」
『だから、いつも作り置きしてるだろ?』
「でも、それはさっき」
あの呪霊に貼った。
「剥がせばまた使える?」
『MAXの効力はないけど、1から作り直すよりは断然早い』
あの呪霊は先程の場所にまだいる。
というか、あそこから動かさないようにしたのは私だ。
ここまで来るのに約5分。
往復で10分。
そんなに時間を使ってしまったら、ここにいる人はもっと苦しむはず。
「…建物壊しても怒られない?」
『この事態だ。ついでに、周りにも被害はいかないだろう』
千春の一言に、私は分かりやすく顔を輝かせた。
「じゃあ壊しちゃう!」
『いいけど、慎重────』
千春が何かを言い終わる前に、私は駅校舎を壊し、先程の場所まで届くように大きな穴を開けた。
『…最低限の破壊にしとけ、バカ』
そうすれば、あとはあの呪霊を呼ぶだけ。
あの御札には私の呪力が含まれているから、それを手繰り寄せればあの呪霊が来るはず。
「来た!」
ラストの直線にやって来た呪霊の体が見えたら、そこからスピードを上げて一瞬で手中に収める。
「君はちょっと大人しくしてなさいっ」
君のことも殺したくないから、適当に攻撃をして距離を取りことを繰り返す。
「…………。?……!できたよ!」
『早くないか?』
「いいから早く!」
千春の体に札をぺたぺた。
『…やっぱり無理だな。私の呪力そのものまで制限される』
「そしたら…」
と、その時だった。
「こっちも助けてくれ!!!!!!!!」
そんな声が左から聞こえたのだった。
そっちの呪霊は既に────
(増えてる…!)
とりあえず、彼をこちらに引き寄せて、そのまま奥の呪霊を殺す。
そちらの方向の呪霊は既に殺したはずで、呪力を洩らしてこちらに注意を向けていた。
この呪霊は一体どこから来て、どうして────
『もっと呪力あげろ。強くなってる』
……そういうことか。
私は言われるがまま、出力をある程度まであげることにした。