第60章 こてん
「これから私はゲームをする予定なんだが…。お前との個人的なゲームも面白そうだ」
「ほら、やっぱデレデレじゃん」
「やめとけ、祓われるぞ」
『お願いだから話を聞いて』
「俺に構わないでいいから」
「この鍵をこの呪霊に飲ませる」
「千夏、落ち着いて」
『千夏』
「この呪霊を見つけて、祓えば鍵が手に入る」
「そんなの、この人なら簡単にやっちゃうでしょ」
「…さぁ、どうかな?」
『あれだ。ほら…』
「千夏!」
私は────
「は……ふっ…」
人間、どこでスイッチが入るか分からない。
「きゃはっ…」
何も聞いていないのに、何も分かっていないのに。
私がやるべきことだけは分かる。
「乗った。ゲームしよ?」
立ち上がろうとしても立ち上がれない。
その不格好な女が、爪が剥がれた血だらけの手で足掻いている。
はは。
醜すぎる。
「…俺に構わないで、生徒達を助けてやってよ」
「うん。でも、悟も助ける」
なんで会話できるんだろう。
ここでない別の場所にいる自分が話しているのか、ああ、そうだ、そうに違いない。
「大丈夫。私、特別なんだから」
それに悟が言ったんだよ。
いざと言う時は全てを捨てて、自分のために戦っていいって。
「それでいい。面白いゲームになりそうだ」
でも、ちょっと待った。
少しだけ休憩が必要かも。
「おやすみ五条悟。新しい世界でまた会おう」
「僕はな。オマエはそろそろ起きろよ。いつまでいい様にされてんだ」
”傑”