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【呪術廻戦】infinity

第60章 こてん


******


「あれ?動かなくなったよ?」
「限界がきたんだろ。しばらくすればまた起きるさ」


傑という名に反応したこの男の手。
どういうことだ?
傑の意識が…残っているとでもいいのか?


「千春」
『なんだ』


こいつらが変な話をしている間に、これだけは伝えなくてはならない。


「頼んだぞ」
『誰に言ってる』


千夏はこの男を傑でないと認識した上で、傑の名を呼んでいた。
そもそも、傑の生に驚かない点で、これより前に会っていたのだろう。
しかも、鍵とかなんとか話していたから、少なくとも出会ってしばらくが経つはずだ。


(なぜ言わない)


術師としてあるまじき行為だけれど、千夏と傑という夏ペアセットだ。
弁明の余地は十分にある。


「術式は世界か……フフ……」
「?」
「いいね、素敵だ」
「おーい。やるならさっさとしてくれ。むさ苦しい上、眺めも悪い」


考える時間は後でたっぷりあるはずだ。
別に死ぬわけではない。
なにせ────


「こちらとしてはもう少し眺めていたいが……そうだね、何かあっても嫌だし」


男は地面に倒れて動かなくなった千夏に視線を向けて、心底くだらなそうに笑いを捨てた。



閉 門






なんと悪趣味な内装。
かなり狭いけど、中々居心地は悪くない。



いつものアイマスクを付け直して、体制を整える。



「物理的時間は流れてないっぽいね」



外の様子が分からないのは少し悲しい。


「まずったよなぁ。色々とヤバイよなぁ」


普通に色々な人に迷惑をかけるし。
普通に人間界終わりそうだし。
普通に世界やば!って感じになるだろうし。


「…ま、なんとかなるか」


なにせ────




あの子達がいる。


「期待してるよ、皆」


そして、千夏がいる。


「流石の千夏でも、そろそろ本気出さないと舐められちゃうからね」


もう僕が守らなくても大丈夫なのだろうか。
……でも、やっぱり心配だ。


「本気出しちゃえ」


どんな手段を使っても生き延びて。


そして、大切な人を守って。


どうか、千夏が千夏でいられるように。


僕はここから願うよ。



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