第60章 こてん
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(さっき雑草が塞いでた吹き抜けが今更!?)
やはり、上にも呪詛師がいて、渋谷にいる人々をこの場所に落とすつもりか。
人間がいくら殺されても、上から補充される。
生きている人間も、殺される人間も、充分過ぎるほど……ってわけだ。
────千夏は?
今の衝撃で落ちてきたか、はたまた上の呪詛師と戦っているか……って!!
この状況、マズすぎんだろ…!
死んだ人は数え切れないし、人間が変形した呪霊が多くいる。
こんな場所に千夏が放り込まれたら…
「超新星」「撥体」
悪いが、お前らに構っている時間は無い。
今すぐこの状況をどうにかしないと…。
どうする?
こいつら全員を祓うまで、一般人を放っておくか?
ツギハギに至っては、七海でも厳しかったのだから、それなりに苦労する未来は見えている。
そうなると、その間に何人の人が殺されるか。
考えろ。
千夏は?
今は千春がいないから、周りを気にしないと戦えない。
一般人に囲まれている今、彼女が思いっきり力を発揮するわけが無い。
それに、ただの呪霊ならばある程度の妥協はするだろうが、今回は元人間の呪霊だ。
……絶対に無理だ。
千夏を助けて、かつ人間も救う。
その方法はたったひとつしかない。
一か八かの賭けにでることにした。
────領域展開 無量空処────
まずはザコの呪霊を祓いながら千夏を探す。
大物は後回し。
できれば千夏の力を借りたいところだが…
今のあの子は邪魔になるだろう。
自信と覚悟。
あの子に足りないのはそれだけだ。