第58章 特別編①
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本当に言われるがまま、外に出た僕達。
「あの〜…千夏ぅ〜…?」
昔と変わらない校舎裏で。
ここでは何度も勝負という名の…決闘という名の…色々なことをしてきた。
「ほれ、無下限解け」
「待って待って本気?」
「やんじゃないの?」
やらないよ!
どういう流れのコレ!?
「そもそも、何を賭けた勝負!?」
「どっちの考えを、どっちが受け入れるか」
僕が負けたら、千夏の考えを受け入れる。
つまり、嫉妬してもある程度仕方の無いものだったら、いちいち不満を表に出さないってこと。
千夏が負けたら、僕の考えを受け入れさせる。
つまり……寛容さを取っ払って感じたままに嫉妬してくれる?
「やろう」
「なんで急にやる気出て…」
「ルールは昔と同じね」
「それはやだ。術式はなし」
「まぁ、それもそうか」
僕の術式があったら、そもそも勝負にならないもんね。
攻撃当たらないし。
「体術だけ?あんだけ嫌がってたのに?」
「だってそれは2人が虐めてくるからじゃん」
「虐めた覚えはないけど…」
しっかり足の筋を伸ばして、肩周りをほぐす。
「いいの。とにかく、体術だけ」
「はいはい、了解しました〜。それならここじゃなくて中でやらない?」
「使えるの?」
「僕を誰だと思ってんの。教師よ、教師」
申請したら大体の部屋の使用権はゲットできるし(そもそも面倒だから申請しないけど)、なんならこの敷地に千夏が居られるのも僕や学長のおかげだって分かってるかな、この人。
「やっぱり権力って凄いな…」
「千夏も教師になる?」
「無理でしょ」
「でも、なりたかったでしょ?」
「なっ……なんでそれ、知って…!?」
「学長が昔言ってた」
言われてみれば、あんなに勉強嫌がってたのにちょくちょく問題解いてたし、何かの試験も受けてたみたいだし、教師になりたかったんだろうなーって納得した。
「そ。それ誰にも、言わないでよ…!」
「なんで?いいじゃん」
「やだっ、言ったら絶交だから!」
絶交…。
子供すぎる彼女に思わず笑いが漏れる。