第58章 特別編①
「あ〜♡やっぱりここにいた〜♡♡♡♡」
クネクネデレデレした奴がやってきた。
「急に居なくなるなんて酷いじゃないの〜」
「…」
このテンションの時の悟は本当に危険だ。
構ってあげるだけ損である。
「千夏〜?聞いてるぅ〜?」
「…」
「もぉ…♡まだ拗ねてるのぉ?」
イラッときた私は、顔をあげることなく右手で悟の腹を殴った。
「ぅっ…」
「うるさい」
「…ひ、どく、ない?」
蹲る彼氏を他所に、学長の机の上に座った。
「…拗ねてるとかじゃないんですが」
「……え、待って。激おこ?」
学長。
この男、どう思います?
私、結構頑張ってる方だと思いません?
「いや、あれはだって…」
「…だって?」
「…えへへ」
えへへ///…じゃねーわ!!!!!!!
「だって千夏!全然嫉妬してくれないんだもん!!!」
「はぁ?別に嫉妬するとこないし!」
「女の人とふたりで泊まっても普通だし!少しくらいいいでしょ!堪能させて!!!」
…は?
ちょっと待って。
「泊まり?」
「へ♡」
見るからに嬉しそうな顔をする反面、私の顔にはシワが刻まれていく。
「そ〜。仕事でね」
「なんだ、仕事か」
「…そうじゃないでしょ!そこは「は?何で?」ってなる所!!!!」
嫉妬して欲しい悟と、あまり嫉妬しない私。
「お前ら……喧嘩ならよそでやってくれ」
「…だってよ。ちょっと、外に出ようか」
「え、え、え」
「大丈夫。骨までいかないようにするから」
こやつを大人しくさせるには物理的暴力に頼る他なさそうだ。
久しぶりに向き合うなぁ…。