第58章 特別編①
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来る2月14日。
恋する人々に訪れる楽しい行事、バレンタインデー。
(何くれるのかなぁ)
千夏が戻ってきて、初めてのバレンタイン。
最近は仕事の関係で顔すら見れてないけど、今日の夜は一緒にご飯を食べる約束をしている。
学生の時のバレンタインに貰ったものは今でも覚えている。
嬉しすぎて自分がキモかったことも、いらない記憶だけれど覚えている。
イベントとか、記念日とか。
千夏はそういうのを大事にするから、絶対何かしらくれると思うけど…。
正直めっっっっちゃ楽しみ。
午後からは実習だから、そのための説明をするために1時間ほど、ちゃんと先生の仕事をする。
よく考えたら、こいつらの担任らしいことするの、初めてじゃない?
そんなことをしていると、突然ドアが開いて、場違いなパーティーお姉さんが入ってきた。
だから今日の予定聞いてきたのかー、なんて考えながら、侵入を見守る。
それにしても可愛いな。
サンタクロースみたいな袋持ってるし。
「悟もお菓子の詰め合わせ、いる?家にまだあるけど」
「貰う〜」
「どーぞ」
昨日食べたお菓子はこれ用だったのか。
やけに個包装のものが多いと思ったら…。
「そして……じゃーん」
次に取りだしたのはまぁるいホールケーキ。
お皿とフォークも用意してあって、準備がいい。
千夏の料理はマジで、マジで美味いけど……お菓子となると話は別。
レシピ通りに作っていると言っているけれど、絶対にどこかで千夏の雑さがでてるはず。
学生時代には、電子レンジから煙が出て大騒ぎになったこともあった。
普通にお菓子作りをしていて、どうやったら電子レンジが壊れるのか知りたい。
「あーんして?」
「え、やだ」
「え、なんで」
「え、逆にどうしてして貰えると思ったの?」
全く。
相変わらず恥ずかしがり屋なんだから。