第58章 特別編①
「あとはここで……って、何?」
「そ、の」
あとは待てば終わる段階まで来た。
「…五条に、も作りたくて」
「え、この中に五条の分なかったの?」
「そうじゃなくて、」
時間がギリギリになりそうなこともあり、硝子が続きを言う。
「五条には本命らしいチョコを作りたいんだとか」
「あーなるほど?で、何作るの?」
「い、いちごのチョコ!」
携帯で写真を見せる。
すると、歌姫の顔はみるみるうちに渋くなる。
「また湯煎するの〜?」
できたチョコレートケーキをいちごのチョコでコーティング。
その後にちょこっと工夫してデザインする。
それで完成予定。
「別にいいけど、自分でやりなさいよ」
「それはもちろん。でも、ツヤツヤにしたいから…」
「…だるっ。手伝うけどさぁ」
なんだかんだ優しい歌姫。
残りの片付けや洗い物は全部私が行い、ケーキの焼き上がりを待った。
「入れ物は?」
「この間買った!」
「うわぁ…五条だけ特別感やば。夏油、嫉妬するんじゃない?」
「だから、傑もこれに似た入れ物だよ」
五条に避けられていることもあり、まともに渡したら受け取ってくれないと思ったから、「傑と同じ義理チョコだよ」と思わせといて、中を開けたら「なんだこれ!?すごいじゃん!本命だったかぁ」と思わせる作戦。
「お嬢さん方。どうだい?」
「今焼いてるところです。上手くいってますよ!」
「冥冥さんも食べたい〜?」
「憂憂用に少し貰おうかね」
あ、憂憂くんの分考えてなかった。
ま、まぁ、多めに作ってあるから…^^
「焼けたねー!」
「おし!デコデコタイム!」
各々、思い思いのデコレーションを施す。
3人して普段の恨みがあるからか、常道なデコレーションとはならないが、五条の分はとても想いを込めさせてもらった。
「『Big L”a”ve』?」
「aじゃなくてoじゃね?」
「えっ、間違えた」
……お、想いがこもってれば、ミスなんて見逃してもらえる!!!
……はず。