第58章 特別編①
「お前さ……いい加減にしろよ」
な、なんか怒ってる。
でも、眼福!!!
「なんで」
徐々に近づいてくる顔。
これは…き、き、き、きす、しちゃう流れ!?
どうしよう…!
さっき息臭くなるもの食べてないよね?
ケーキに、チップスに、チョコに…。
「お」
「……お?」
「はーい、ストップ!」
あと一歩のところで、傑の手が差し込まれる。
「悟、酔いすぎだ」
ほっとする自分と、残念だと思う自分。
顔が熱い。
私はお酒を飲んでないのに。
「危なかったねー」
「…」
「はっ……キスされてもいいって顔」
「よくない!」
キスはお互いの気持ちが結ばれた時にするものだし。
私達は今、仲良く話すことすらできていないのに、キスなんてすべきでは無い。
でも……じゃない!
ダメなものはダメ!
「こいつ、部屋置いてくる」
「おー」
強くあれ、千夏…!
最強に勝たないと!
「辛いなぁ…」
「ん?」
「…もっと、五条とお話したい」
「まだ避けられてんの?」
「うん」
やっぱり、私が術師になったのが不満なのかな、とか。
私が弱いから、心配かけちゃうのかな、とか。
「最初の頃仲良かったのに」
「今でも仲良い!…でも、避けられてる」
「かあいい〜」
「茶化すな!」
でも、さっきは何を言いかけたんだろう。
お……ってなに?
「ったく、絶対明日の朝飯おごって貰う」
「おかえりー。なんかあったん?」
「ただ体がでかくて運びにくかった」
「あー、無駄に身体でかいもんね」
「お」かしいんだよ────有り得る。
「お」まえが大っ嫌い────傷つく。
「お」……「お」……。
「千夏ー」
「はい」
「もう一回やってお開きにしよーって」
「あ、うん、やる!!」
悩んでも仕方ない、か。
五条の気持ちは五条しか分からないんだから。
聞いても教えてくれないに決まってるし。
考えるのやめよ。