第58章 特別編①
「あーくそ、お前マジで性格悪いわ」
「はは、硝子程じゃないけどねー」
「は、タヒね」
「やだよ」
2人は恐ろしく静かに互いを貶しながら、とてつもない技術を見せている。
私たちは揃って『恐ろしい子…!』状態。
「あ、2人とも。酒飲んでもいいよー、沢山あるから」
「飲まない!お酒は20歳から!!」
お菓子があれば十分だよね!、と。
そんな気持ちを込めて横を見ると、彼はちょうど缶の封を開けたところだった。
プシュ、といういい音と同時に、私はその缶を奪った。
「お酒は20歳から!!」
「あるんだから、飲んでもいいだろ」
え、皆さん、法律って知ってる?
「千夏って変なところでいい子だよね」
硝子がバカにしてくる。
「これは当たり前のことだろーが」
「はい。返すー」
「ちょ、傑!」
傑もバカに(以下略)
「お、ラスト」
「傑〜!!!!」
ダメダメダメダメダメダメダメ!!
みんなが不良になっちゃう!
あの先生の元で教えられてたら、そういう影響受けちゃうかもだけど!
タバコ、お酒ときたら、次は『ダメ、絶対!』のあれでしょ?
逮捕されちゃって、更生したってまた…!!!
「ッチ」
「いやぁ、最強っつったって 、私に負けるようじゃ…」
「るせぇ!」
いつの間にか終わった勝負は、僅差で硝子の勝利。
悔しがる五条はとても見もので、笑ってしまう。
「ちょいとタバコ吸ってくるわー」
「勝ち逃げだ!押さえつけろ!」
「だるいだるい。大人しく吸わせろ」
以前、硝子に勧められて一吸いだけしたことがあるけれど、灰の中が煙で埋め尽くされる感じがどうも苦手で。
ついでに千春に怒られたから、私はもう吸わないと決めている。
「禁煙しましょ」
「しません。千夏も来る?」
「行くわけ」
煙たいのは苦手。
2人がもっと強く言ったら、止めるかもしれないのに。