第58章 特別編①
恵に関しては、互いに仲が知れているので、学長の変な面接も軽く乗り越えられるだろうと信じている。
もう1人の女の子は、地方からの上京を考えていて、面接は入学後になると予想(何のための面接?)。
ここまでで、来年度の生徒に関する書類は作ったし、報告届も書いた。
次は…
千夏の書類かな?
呪術師登録はこの間済んだ。
何年も「しろ!しろ!」と言われて、千夏もそろそろ耳が限界だったんだろう。
書類は全て僕からの手渡しだけれど、千夏は少し考えが足りないから、何も疑わない。
千夏が呪術師として生きていくためには、特別な申請書や誓約書が求められる。
それほどまでに上は千夏を管理したいらしい。
まぁ、そんな制約を受けたら自由なんてほんのひと握りになってしまう。
そんなことは僕がさせない。
『…五条悟』
「うわっ、びっくりした」
ぬめぇ〜っと、千春が机の上に表れた。
千夏を急いで確認すると、まだまだ夢の中。
「千夏の前では出ないのに、どうした?」
『あの子が…優しすぎるんだ』
「何かあったの?」
千夏の書類を1部改ざんしながら話を聞く。
『…私は千夏のそばに居てもいいのか?』
いつもと変わらない声のトーン。
千春は頭がいいけど不器用。
千夏の話を聞く限り、愛が強すぎて誤解を与えることが多々ある様で。
「なんかしたの?」
『聞いてるだろ、言わせるな』
「ごめんごめん」
千夏が冥さんに助けられてから、この2人は海外へ飛び術師としての力をとことん伸ばした。
しかし、目指す方向が真逆であり……つまりは、傑の生死について。
段々と対立することが多くなった2人に訪れたのは、千秋と千冬という姉妹の暴走。
時間を争うことだったので、千春は説明無しに2人を刀に収めた。
その後は2人がいなくなったことで、今まで発展しなかった喧嘩が大喧嘩に。
お互いがお互いに腹を立て、千春は姿を消した。
と、僕は聞いている。