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【呪術廻戦】infinity

第57章 特別講師




けれど、徐々にその棘はなくなり、ふにゃりと顔が歪む。


「ふぇ……しぇ…んぱっ…ぃ」


何も状況が分からない私は、この涙を理由に和田さんにもう一度上着をかけるしか無かった。
けれど、今度は肩にかからず滑り落ち、もう一度かけても地面に落ちた。
やっと和田さんを覆うようにかかった上着は、彼女の微笑みを生んだ。


「…別にいいのに」
「私にはこれしか分からないからさ。シャーロンがやってたの」
「へ?」
「映画の話」


私が正しいと思う関わり方は時に誤解をうんでしまうから、スタンダードに映画の真似をしただけ。


「……莉緒みたい」
「誰?」


和田さんは小さく首を振って、諦めたように上着を受けいれてくれた。


「先輩」
「はい」
「私…先輩が死んでくれないと生きてられないんです」


言い換えると、私が死ねば和田さんが生きていられるということ。


「だから、死んでくれませんか?」
「……随分直球な殺害予告だこと」
「私死にたくないんです」


ペタンと座り込んでしまった今、どこからか攻撃があった場合即座に動くことが出来ない。
無論、今和田さんにどうこうされたとしても、かすり傷無しに動くことは厳しい。


「だから、大人しく殺されてください」


小さなトゲが指に刺さっただけでも嫌なのに、それ以上に痛いことは極力避けたい。


「それは別にいいけど…」


でも、この子は私の数少ない後輩だ。


「…いいんですか?」
「今すぐには……無理だけど。千春ともう1回話したいから」
「私は本気ですよ?」
「それくらい分かってる。だから、和田さんを助けてあげたいんだよ」
「…本当にこの会話、理解してます?」
「してます」


本当のことを言うと、多分理解していない。
私は死にたくないし、殺されたくもない。
でも、和田さんに死んで欲しくなかった。


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