第57章 特別講師
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ふむ。
見たところ怪しいところはない。
運動場は開けているし、遠くからの攻撃があったとしても対処出来る自信がある。
「これで全員?あの筋肉モリモリとメカは?」
「東堂先輩とメカ丸ですか?メカ丸は寝てましたけど、東堂先輩は」
「ここだ」
どこからともなく現れた筋肉モリモリ。
敵意は感じなかったから無視したけれど、こんな登場をすれば攻撃が当たっても文句は受け付けない。
「東堂…何?」
「葵。手合わせ願おうか」
1級術師なんだっけ。
野薔薇達が色々評価していたけれど、皆に嫌われていることのみ覚えている。
「後でね。まずは皆と…」
「時間が無い。高田ちゃんの番組が始まる」
「…?」
高田ちゃんというのは何だろうか。
私の知る範囲に高田ちゃんという芸能人はいない。
「なんで私がそっちの予定に合わせないといけないの?」
「…はっ。噂通りの女だ」
…勝手に始めるつもりか?
そうはさせない。
でも、彼の衝動を止める余裕はない。
「じゃあこうしよう。皆で一斉にかかってきて」
高校生5人だろ?
私が体術で適わないのは、悟と傑だけだと思っている。
「そ、そんなの…」
「ルールは……んとね、術式は無し。体術のみね」
「…無茶じゃない?」
「無茶…かな?」
「知らないわよ」
5人を一度に相手することは初めてだけど、負ける気配はない。
自分の力を過信しすぎだろうか。
「まぁいいや。おいで」
靴はスニーカーだし、緩めのパンツ。
トップスはレースが付いていて少し邪魔だけど、多分大丈夫だろう。
「おい、お前ら。手ぇ出すなよ」
「それはダメだよ。みんなでやらな…」
葵は仲間(?)の視線を独り占めして、私に向かって突進してきた。
何も話を聞いていないじゃないか.…!