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【呪術廻戦】infinity

第56章 チホちゃん




小さな望みにかけてもういちど。


ピンポーン






やっぱりいない。

どうしようか…。






「…チホちゃん?」


1000円札から顔を上げると、そこには疲れきった様子の千夏さんが。


「千夏さ〜ん〜…」
「どうしたの?」


何だかすごく安心して、泣きそうになってしまった。
千夏さんは私のピンチにいつも駆けつけてくれる。


「ちょっと待ってね…今あけるから…」


…。


「千夏さん、風邪ひいてますか?」
「ん…ちょっと熱があるかも」


熱!


「はい、どうぞ」


1000円札をカバンにしまって、すぐに千夏さんの荷物を持つ。


「ああ…ありがとう…」


千夏さんはいっつも無理をすると、悟さんから聞いている。


「ごめんね、ちょっとお風呂入ってきてもいい?」
「はいっ!私、ここにいます」
「中入ってていいよ。食べたいものあったら、勝手に棚漁って」


漁る!?
そんなこと出来るわけない。


でも…。
千夏さん、熱あるって言ってたし…。
お粥、作ろうかな…。


「千夏さん!」


1枚の扉を挟んで、話しかけた。


「お台所、借りてもいいですか?」
「いいよ。使い方分かる?IHだけど」
「た、多分…」
「気をつけてね」


コンロじゃないということだろうか。
IHが何なのか分からないけど、とりあえずリビングに向かった。


「失礼しまー…す」


千夏さんには悪いけれど、少し散らかっているようだ。
几帳面そうだったから意外な部屋模様。


(…お米、ない)


お米だけではない。
食材が何一つない。
冷蔵庫にはケチャップ、マヨネーズ、ソース類と、コーヒー牛乳。
冷凍庫には氷と保冷剤、アイスクリームだけ。


(何も作れない…)


最近は料理の手伝いも任せて貰えるようになったから、是非作ってあげたかったのに…。


(…少し片付けしようかな)


なるべく場所を動かさないように、ワイパーをかけて…。
洋服を畳んで端に寄せた。

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