第55章 こうするしかなかった
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「とまぁ。こんな感じです。質問はありますか?」
何か和田さん…。
「頭いい…」
「ははっ、ありがとうございます」
今まで手続きというものは幾つもあったけれど、全部学長や悟達と一緒に行ってたから、自分の頭を使った覚えがない。
「実を言うと、先輩の手続きが結構滞ってて、そろそろ1つづつ処理していかないといけないんですよー」
「そんなにあるの?連絡来てない…」
「先輩、術師登録したでしょ?」
「うん」
「それ以外、ほとんど全部残ってます」
「え?他にもあったの?」
「はい。多分、書類は術師登録関連のものと一緒に渡してるはずですが、きっと五条先輩が捨ててますね」
人の書類を勝手に捨てるなんて…!
「とにかく、これで以上です。お話を遮ってすみませんでした」
和田さんは手帳に何かを書いて、にっこりと笑った。
「引き続き、楽しく”適切な”時間を〜」
適切な…か。
まさか、監視されてる?
怪しい瞬間は何度があったけど、和田さんはあっち側?
「そ、そうね!今から帰るとなると夜も遅くなっちゃうし…。そうだ。2人共、泊まっていく?」
「…縁を切りたいって話してたの、覚えてる?」
「あ…そ、だったわね…」
また…不安定になってきた。
折角────
助けて、悟。
写真フォルダを開いて、私のお気に入りの写真を探す。
しかし、震える手がなんとも邪魔で、つるりと携帯が落ちた。
「先輩?」
「っ…!」
親切に拾ってくれた和田さんを押し退ける。
「千夏?ど、どうしたの…?」
「はぁ…はぁ…」
自分でも自分のことが分からない。
「…お2人とも、大変申し訳ありません。1度お暇させてもらいたいのですが」
私に、触らないで…。
「先輩のご様子については後ほどご連絡させてください。今は1度…」
「触らないで!!」
やめて。
これ以上、疑わせないで。