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【呪術廻戦】infinity

第7章 運命


*****

「八乙女千夏。何故呼び出されたか、分かっておるな」

「はい」



以前音楽サイトで見つけたゲームミュージックを思い出した。

今、その音楽がとても似合うような緊迫した場にいる。

確かあの音楽を七海ちゃんと灰原にしつこく聞かせたんだっけ。



「話に入る前に…。書類は提出したか?」

「してないです」

「「「!!」」」

「あれだけは書けないです」



以前みんなでマリオカートをやった時のことを思い出した。

『アイテム無しって言ったのに、使ったでしょ』

『使ってないです』

『ハンデのクソもない!最低!』

『使ってないです』

あの後、普段からの不満が爆発して、殴り合いになったんだっけ。



「いいんだな。我々の仮説を認めることになるぞ」

「…はい。お好きにどうぞ」



分かってた。

私はこうなる運命だったって。

愛を大事にすれば、それなりの犠牲を払わなくてはいけないことを。



「…本当はここで死罪と言い切りたいのだが、4年前の惨劇を繰り返そうとは思わん」



4年前の惨劇。

あの時のいざこざを上層部ではそう呼んでいるのか。

惨劇と言いたくなる気持ちも分かる。

しかし正直なところ、『五条の癇癪』とか『八乙女と五条の駄々こね』とか、可愛い名前が良かった。



「八乙女千夏。お前は切り札になる可能性をもっている」



切り札。

言い換えれば、『五条を動かせる』ということだろう?

反吐がでる。



「徹底管理の元、呪術界の存続のために生きることを約束し、特級過呪怨霊『八乙女千春』を……」

「長い。もう分かりましたから。そのシワシワ声、耳障りなんですよ」

「なっ…!」



生憎、無条件に年上を敬うとか、目上の人に謙るとか、そういうのが大嫌い。

一方的に話を切り上げ、おじいちゃん達に背を向けた。
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