第7章 運命
「彼女の存在は秘匿。貴女方の手足となって働け。そういうことでしょ?」
お前らが望む世界に魅力など感じない。
呪術界の平穏なんて、心底どうでもいい。
「あなた達が望んでいるのは自分たちの平穏ですよね。大丈夫です。私の大事なものを傷つけなければ、言うこと聞きますよ」
でもね。
「もし、彼等と彼等の大切なものを傷つけたとしたら…、どうなるか分かりますよね」
「わ、私達を…、脅すのか!?」
「脅す?人聞きの悪いこと言わないでください」
脅しは狂っていない平凡な人がするものだと思っている。
『殺すぞ』と言ったところで、一体どのくらいの人が実際に行動するのだろう。
「これは警告です」
おじいちゃん達の顔が引き攣った。
「では、失礼します。”私達”のこと、誰にも言わないで下さいね」
飴を口に放り込む。
ラスト1個だった。
この飴の供給は五条からと決めている。
あと1年。
1年後、五条と一緒にいられるとしたら。
私はまたこの飴を食べれるだろう。
食べれると、いいな。