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【呪術廻戦】infinity

第7章 運命



「硝子。少し2人にしてくれない?」

「身動き取れない千夏に何するつもり?」

「そういうんじゃねーって。頼む」

「…はぁ。昨日から頼まれてばかりだな、ほんと」



そろそろ時給発生してもよくない?、と笑って、硝子は五条の頼みを聞き入れた。

何かされたら叫ぶんだよ、という言葉を残して。



「体、大丈夫?」

「これが大丈夫に見えますか」

「ぶっ…人体模型みたい」

「どういう意味だ、ごら」



五条は少し頬に傷があるものの、ピンピンしている。

話を聞くと、反転術式を会得したらしい。



「私、五条が倒れてて、その後どうしたか分からない」

「…」

「それに、昔の記憶と現実がごちゃ混ぜになってる」



手鞠遊びをしていたことは覚えてる。

いつ、どこで遊んでいたかはボヤボヤして思い出せない。

3歳、6歳、9歳…。

ついさっきまでしていたかも。

どんな姿をしている私も、手鞠遊びをしていた気がする。



「真面目な話していい?」

「どうぞ」

「千夏、暴走してたよ」



暴走。

硝子には何も覚えてないと言って嘘をついたが、ネジが取れた私がしっかり脳に焼き付いていると。

五条は無表情のまま言った。



初めに浮かんだのは驚き。

そして直ぐに悲しみに変わった。



「……い、やだ」



私が暴走をしたときに、どのような処遇を受けるかは知っている。






ツーーー。







涙が流れた。



「皆と、離れるなんて、やだ」



きっと今の私は世界で1番美しいと思う。

1番美しい(かなしい)表情をしていると思う。



「大丈夫。そんなことはさせない」



五条は動けない私の代わりに涙を拭ってくれた。

これほど信用出来る『大丈夫』は他にない。



「絶対、大丈夫」



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