第53章 本気で想う大切な人
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ひとつになって、繋がって。
悟の欲を直に受け止めて。
行為後はいつもそのまま抱き合って寝るのだけれど、今日は悟の限界が近かった。
両者の興奮を最もな快感に変えた直後、悟はそのまま倒れ込んできて眠ってしまった。
(どんだけ寝てないんだ、馬鹿)
悟が入浴後もアイマスクを取らないから怪しいもんだと思い…。
その下にはハッキリと不健康そうなクマが広がっていた。
(…さて、私は少し反省しましょうか)
寝息を立てる悟の額にキスを乗せて、私は衣類を身につけた。
ルームキーを借りると置き手紙を残して向かった先は
「何」
彼の生徒達の元。
「調子どうかなって」
「伏黒の方行きなよ」
「うん、後で。野薔薇達は?体、痛くない?」
廊下に声が響くので、とりあえず中に入れてもらう。
「これ」
野薔薇が腕を曲げて、肘を見せてくる。
擦ってできる典型的な傷だった。
「痛そう。絆創膏は?」
「買った。まじお風呂キツい」
「ははっ、分かる分かる」
明日には青い痣ができるだろうと、野薔薇は自分の肘を軽く叩いていた。
「真希は入浴中か」
「真希先輩もこんなもんよ。一番ヤバイの伏黒だからね」
「そうだよねー。一応ゼリーとか買ってきた」
「私らの分は?」
「ケーキ」
「流石。一緒に食べようよ」
野薔薇は机の上の物を乱雑に落とし、端に避ける。
「真希〜、ケーキあるから早く上がってきなー!」
「え、千夏さん?」
外から声をかけて、私は編んで作られたであろう椅子に腰を下ろした。
「アンタは大丈夫なの?」
「何が?」
「怪我」
「うん。平気」
ホテルのコンビニにはホールケーキはなかったので、小さな3角ケーキ。
ホールケーキをガブッと食べるのが楽しいのだけれど、仕方ない。
「真希先輩、ケーキありますよー」
「ああ…何で千夏さんがいんの?」
「怪我の度合いどうかなーって。真希も野薔薇も、大したものじゃなくて良かった」
私がみんなを沖縄に連れてきたあげく、私のせいで大変なことになった。
ひとまず、2人が無事で安心したのだが……