第7章 運命
「まずはどこに行こうかな。あっちの方かな」
呪力を放ちながら歩く。
「あ、そういえばこっちの方歩いたことないな〜」
気の向くまま。
散歩をするように、高専内を破壊していく。
「どっちかなぁ。右、左……いや、後ろかなぁ」
既に五条とsomeoneの戦いで辺りはボロボロのガタガタ。
今更私が暴れたところで、違いなんて分からない。
「やっぱり、左にしよ〜」
高専には結界がある。
にもかかわらず、五条が血まみれに。
「と見せかけて、右!」
いない、いない。
誰もいない。
そもそも、傑はどこに行った?
傑が五条を見捨てるはずがない。
足を止めた。
振り返り、木々の囁きに耳を向ける。
「あの、女か…!」
傑はあの女の子といるはずだ。
理由は知らない 。
そういう任務なのだろう。
『五条、悟。メモ』
メモ…。
「……なるほど」
五条が任務に関するメモを残しているかもしれない。
再びあの光景を目にしたくはないが、仕方ない。
これが最短のルートなのだから。
千春がそういったのだから。