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【呪術廻戦】infinity

第52章 不如意



私の術式は対象者を不幸にする。
八乙女先輩も先の件で莫大な不幸を抱えていた。


(…なんて人なの)


私は正直にそんな言葉が出てきた。





思い出すはあの時のこと。


『それは運が悪かっただけ』


私は慰安室に再度戻り、ドア前で七海先輩が私を見て会釈…。


『…あ、久しぶりっ』


その代わり、会いたくない人がいて。
その後ろでは変わらず死んでいる灰原先輩がいて。


『…よく笑えますね』
『そーかな』


今すぐこの顔を殴ってしまいたかった。
いつもと違う柔らかい雰囲気が気分を害してくる。

先輩は灰原先輩の頬を撫でながら、喉を鳴らして言う。


『ほんと、運が悪いなぁ…』


運、運、運…!!
うるさい、黙れ。


『…灰原先輩は、運のせいで、死んだ、って言いたい、んですか』


震える喉が精一杯の努力を見せる。


『わ、たしが、殺したって、言うんですか』


人前では泣きたくないのに。
この…簡単に笑顔を浮かべる八乙女先輩が…とても憎くて、憎くて…!


『知らない』
『っ…!』


私に向ける視線はとても冷たくて、けれど灰原先輩に向ける視線はとても温かくて。


『でも、ウルハが殺したって言うなら…私も共犯だ』


何なんだこの人は。
私を…私を馬鹿にしてるのか?



運を決められる私は、一時期自分を神のように感じていた。
運を操作し、世を変える力を持つ。
実際、私の運操作は無限でないためにそんなことを出来ないことはわかっているけれど、そう思っていた時期があった。
それは…灰原先輩の死で根こそぎ消えたのだけれど。



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