第7章 運命
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「ご、じょ……う」
目の前に横たわる黒い物体。
この黒い物体が。
私を虜にした人に見えてしまうのは、何故だろうか。
物体からは鮮やかな紅色の液体が流れ出て、至る所に飛び散っていた。
遡ること15分────
「五条達、帰ってきたって!」
「あー、はいはい」
数日ぶりの再会に胸躍らせ、廊下を飛び回った。
「出迎えたら?」
「うん、そうす……」
バァァァ………ンンン!!!!!!
ここを下った所にある鳥居方向から爆発音。
土煙が上がり、被害規模がだいたい分かる。
先生も状況把握できていない様子で、私達に何か知っているか聞いてきた。
何も知らないといえば、とりあえずここを動くなと言われた。
けれど、あそこには五条達がいるかもしれない。
というか、十中八九アイツらのせいだと思う。
「派手な喧嘩?」
「任務中に?」
そこまで2人が馬鹿でないことは分かっている。
硝子に合図をして、窓から外に飛び出た。
先生に止められて動かないほど、従順な女ではない。
そして、現場に辿り着くとこの有様だったわけだ。