第51章 コイワズライ
「ウルハっちってさ、灰原先輩のこと好きなの?」
あー。
和田さんの”こういう感じ”も懐かしい。
「ふざけたこと言わないで」
「だってだってさー、ウルハっち、灰原先輩とはよく話すじゃん。私とも話してよー!」
今、和田さんは何をしているんだろうか。
私は灰原先輩が亡くなってから、とことん周りとは関係を絶って外に遊びに行っていたから、和田さんがどこで何をしているのか全く知らない。
「ウルハっちが話してくれないと、”1年坊主”としか話せないじゃん?つまんないのー」
「からかわないでくださいよっ…!」
「ははっ!いいあだ名じゃんっ。八乙女先輩、センスいいと思うよ?うん、まぁ、思ってないけどっ!」
今になっても、和田さんはずっとひとりで話しているような人だった。
だからこそ、私達3人は最初こそそこそこ上手くやっていたのだと思う。
「んで?好きなの?」
「…はぁ」
「コイワズライ?」
「和田さんの相手するの、疲れる」
「あ、ちょっと〜」
つんけな態度を取っているが、自分のことであるから全てお見通し。
今彼女は非常に焦っている。
当時はこの焦りがなんなのか分かっていなかったと記憶している。
が、今の私にはさすがに分かる。
(決定打……確か一緒にコンビニに行って…)
「みんなー!コンビニ行くけど何か買ってこよーか!?」
「噂をすれば先輩達ですね…」
和田さんが遠くの先輩方に手を振る。
「せんぱーーーい!ウルハっち、一緒に行くんでちょっと待ってください!!!!」
「はぁ?ちょ、何言ってんの…!?」
「分かったー!待ってるー!」
これには随分キレた記憶がある。
でも、結果は落ち着いたので、今となっては感謝したいくらいだけど。