第50章 熱源
にわかに信じ難い話だ。
全呪術師の中で4人しかいない特級呪術師。
そのうちの3人が、この学校の生徒である。
先人達より遥かに階級が高い…いわゆる天才と称されるべき存在が、自分達と大して年齢が変わらないのだ。
「えっ。もしかして灰原先輩!?」
「あはは、違うよ。俺でも七海でもない」
「も、もしかして…さっきの…」
「おっ、当たり!流石伊地知くん!」
「えっ、五条先輩達!?」
「…そうですよ」
先程までここにいた彼等が呪術界の天才…。
本当に信じられない。
ゲームの世界みたいだった。
「五条先輩と夏油先輩が特級になったのは比較的最近なんだけどね」
「じゃ、じゃあ…家入先輩はいつなったんですか?」
和田さんの質問に、灰原先輩は手を大きく振って謝罪した。
「ごめん、言い方が悪かった。家入さんは特級じゃないよ」
「…まぁ、あの人も特別ではありますが」
「そうだね。家入さんは反転術式っていうので、他人を治癒できる人だから…。呪術師としてトップクラスなのは間違いないけど」
…ってことは
「特級なのはもう1人の3年。八乙女さんのことです」
…普通に考えてやばくない?
こんなに出来たゲームなんて、中々ないぞ。
4人中3人が特級で…もう1人は希少性が高い宝石…
ああ、考えれば考えるほど心臓が痛くなる。
「すっご!え、え、八乙女さんって人にもにも会ってみたい!」
「多分すぐに会えるよ」
「す、すぐに、ですか?」
「さっき五条さん達が来たから…多分もうすぐ…」
ぞくり。
わけも分からず悪寒が走った。
「ん?…ああ、”この感じ”ね。すぐ慣れるよ」
呪いだ。
呪いの気配が…
「ねぇ、アイツらは?」
ぞくり。
体の底を擽られているようだった。
「あっちですよ〜」
灰原先輩が私達の後ろにいるであろう存在に手を振る。
「って、千夏さん…その顔…ふぐっ…くく」
「…ふっ」
「アイツら油性はやめろって言ってんのにさァ……って、七海ちゃん、笑った?」
「笑ってません」
「笑ったy」「笑ってません」