第50章 熱源
「てゆーか、逃げないと」
「そーだったそーだった。んじゃ、皆、クソつまんない授業頑張ってね〜」
そう言えば、あの人達はどうしでここにいたんだろう。
授業は?
そうでなければ、任務は?
本当によく分からない人達…。
「せんぱぁい。あの人達、なんか楽しそうでしたけど。授業中じゃないんですか?」
「ああ。あの人達はちょっと特別で。もう授業は受けてないんじゃないかな」
特別、という言葉を言う時に、灰原先輩の目は少し辛そうに遠くを捉えていた。
「えー、ずるい!」
「...本当に特別なんですよ、彼らは」
3年の話題になった途端、話すようになる七海先輩。
そして、その七海先輩も遠くを見ていた。
「そうそう。皆、呪術師に階級があるのは知ってるよね?」
「もちろん!私と伊地知は4級!ウルハっちは3級だよね」
「へぇ、凄いなぁ」
灰原先輩は全て素直に受け止め、素直に感情を出すから苦手。
その分、七海先輩は口数が少ないけれど、その視線は鋭いから…これまた苦手。
とまぁ、これは2人に始まったことではなく、私の中ではほぼ全人類、初手段階から苦手な人に分類されている。
「それでさ。今、全呪術師の中で1級のそのまた上、特級に分類されている人が何人いるか知ってる?」
「と、特級って伝説みたいなものじゃないんですか」
「伝説じゃないよ」
私には伊地知が何に焦っているか知らないが…。
というか、伊地知はいつもこんな感じか。
「今、特級に分類されている人は…全部で4人」
「灰原」
「いいじゃん。どうせいつか知るんだし」
それでね、と灰原先輩は続ける。
「そのうちの1人は任務なんて無視してどっかほっつき歩いてるんだけど」
「…呪術師は常に人手不足。特級あろうものなら…分かりますよね」
特級ならばその分働け。
まぁ…妥当だろう。
「で!?残りの3人は?」
和田さんが興味津々に問い尋ねる。
ここまでの流れからして…何となく分かるけれど…
「残りの3人は、なんと……呪術高専に通っているのです!!」