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【呪術廻戦】infinity

第50章 熱源




「やっぱり、千夏ちゃんって本当に可愛いと思う!ねぇねぇ…あ、もう!まぁたその子?」



足音だけで分かる。

先輩が私の様子を見にきたんだろう?



「ウルハ…」

「…今、チャンス、で…よ。こんな、ボーナス、タイム。のが、すの、勿体ない…す」

「反転術式は!?あんた、使えたでしょ!」

「無理。今の私には使えないの」



うっすらと目を開ければ、そこでは先輩と釘崎さんが言い合いをしていた。


(は?先輩がそんな顔すんなよ…)


なんで先輩が私のために必死になってるのか分からない。



「ウルハ、サイコロは!?こんな…四角のやつじゃなくて、もっと凄いやつ!あれなら…」

「先輩っ!」



腕の筋肉だけを頼りに、最後の力を振り絞って先輩に掴まる。



「なんで必死になってるんですかっ!!…ガハッ」

「必死になるよ!なっちゃダメ!?」

「ハー…ハー…ふざけ、んな…」



必死になるよ!なんて、どの口が言ってるんだ。



「私は死ぬ。運の、通りに!運は絶対…そうでしょ!?」

「その運をウルハは動かせる!だからあのサイコロを…」



ほんと。

先輩には…人を想う心がない。



そうやって、心配してるフリをして偽善者やってるだけでしょ?



「…あれを使うなら、このまま、死んだ方がマシ、ですよ…」

「死なせない。貸して、私が振る」



先輩は真っ直ぐな目で、手を差し出してきた。

その上に私がサイコロを置くとでも?

馬鹿にすんな。




でも





『貸して』





(…何?どうして…同じことを言うの?)





私の術式は使い方次第で悪用も可能だ。

そのため、術式の本当の力は信頼する人々にも教えていない。




なのに。




どうして全く同じことを────術式の本当の力を指す言葉が、過去と今で繋がるのだろうか。



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