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【呪術廻戦】infinity

第49章 この世の理


*****

一方で。



「へぇ…私を殺そうってか」



私、釘崎野薔薇はそれはもう沢山の呪霊に囲まれて。

西東京の少年院で陥った状況に酷似…というか、そのまんま。



(あの時は助けが来たから良かったけど…)



この状況から無事に脱出できるなんて思うほど驕ってはいないし、そんな妄想をしている暇もない。



「おい、ふざけんなっ!元の場所に戻せーっ!」



って、喚いても無駄だし。



だからって諦めるわけにもいかない。




「せめて、攻撃は順番にしてよね…」




そんな願いは届く訳もなく、一斉に私に向かって落ちてくる呪霊。

ああ、死んだ。

以前と同じように小さくそう思っていると。



「おいおい…それはないでしょ」



どこからともなく現れたアイツが私の体を包んで、表面に彼女がいるからか、呪霊は一斉に動きを止めた。



「この子は大切なの。傷つけちゃダメ」



呪霊を従わせてるのか…。

こいつらにそんな知性があるとは思えないが、現実はその当たり前を覆している。



「なんでぇ?その子、千夏ちゃんのこと殴ったのに」



フリフリのゴスロリを来た先程の呪霊が現れる。

群れていた呪霊が一気に後ずさり。

ああ、コイツらはこのボスにビビってるだけなのか。



「みんなの所に返して?」

「…むぅ。面白くない!」

「お願い」

「じゃあ、腕の1本くらい…」

「ダメ」

「…つまんないっ!」



小さい子に語りかけるように、ゆったりと。

彼女は珍しく上に立ち、呪霊が言うことを聞いてくれるまで待つ。



「釘崎…!」



瞬きをした瞬間に先程の花が咲き誇る場所に戻り、周りには皆がいた。



「千夏ちゃんは甘すぎるよ」

「甘いほうが美味しいよ?」

「…そういう文脈じゃないよね」

「うん」

「きゃはっ。千夏ちゃん、面白い!」



どうやら、2人は本当に仲がいいみたいで……というか、呪霊側のテンションに彼女が合わせているようだった。

けれど、彼女からは嫌悪感を感じない。


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