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【呪術廻戦】infinity

第49章 この世の理




「…ごめんね。やっぱり休憩しよ」



天然なのか、意地が悪いのか。

鈴木さんは先程の晴れた場所ではなく、呪いだらけのこの中心部でそんなことを言い出した。



「…天巡命命」



文句は言いたいけれど、それよりも体を休めたい。

鈴木さんの作った結界に身を潜め、各自の休憩法をとる。



「…随分回り道したな」

「そうですか?結構最短距離を…」

「そうじゃなくて。領域内だからおかしくなってるけど、多分外から見たら3歩も動いてない」



鈴木さんの言葉に全員絶句。

領域内の構造や時の流れは術師に委ねられるけれど、まさか3歩も動いていないなんて…。

八乙女さんの術師としての能力が規格外であることを感じ、この先を案じて体が重くなった。



「そういえば、七海さんの後輩って聞いてますけど、千夏さんとも関わりあったんですか?」

「…いや。ほとんどない。皆も2個上の先輩なんてほとんど話さないでしょ?」



先輩方は納得している様子だったが、3年の先輩に1度もあったことがない釘崎と虎杖は少し首を傾げていた。



「…私達の交流会にはあの代は来なかったしね」

「それ五条先生から聞いた!」

「…五条先生、か」

「悟とも関わり無かったんすか?」

「…あの人は…まぁ、フレンドリーだったから」



関わりはあった、ということだろうか。



しかし、どうも昔の話は苦手なようで、禪院先輩に話を振られてからずっと眉間を押さえている。



「それにしても、八乙女さんはなんでこんなことしてんだろーな」

「…皆、一緒に旅行に来てたんでしょ?何か知らないの?」

「知ら」「知ってたら言ってるわよ…!」



釘崎の声に俺らは目を丸くした。



「…余計なこと聞かないで」



人に弱みを見せるなら死んでやる、と言いそうな釘崎がここまで不安を露わにするなんて。

俺と虎杖はとても信じられなくて、体が固まった。



「い、いや。その、俺達もなぁ…心配だから。うん、気持ち分かるよ…」



虎杖のフォローは吉とでたのか、釘崎はいつものように虎杖の背中をバシッと叩いた。



「…そろそろ行こうか」



当の本人は特に気にする様子も見せず、先に進もうとする。

特に断りもなく結界を解くと、そこは呪霊のカーニバル。



「ほら。早く」


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