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【呪術廻戦】infinity

第49章 この世の理




「…めんどうだなぁ」



彼女が大あくびとともにそんな気持ちを漏らしたのは、約2分後であった。



「術式」

「え?」

「術式、教えて」



俺達の、ということだろうか。

確かにお互いの手の内を知らないと、共闘は難しい。

とりあえず、1人づつ自分の術式を簡単に説明し、狗巻先輩に関しては俺が代わりに説明した。



「…呪言かぁ。八乙女先輩と同じ…」

「今の八乙女さんは呪言を使えません」

「…へぇ、そーなんだ」



どうやら、この人は七海さんの後輩と聞いていたが、八乙女さんとは親しくないみたいだ。

最近の八乙女さんを知らない…ということは、彼女は術師として働いていないのか?

その仮説はどうやら正解のようで、彼女はポケットから道具を取りだした。



「…私の術式は簡単に言うと…運を操作するの。このサイコロを使ってね」



彼女は再び大あくび。

どうやら相当眠いらしく、これ以上術式についての説明は無かった。



「…じゃあ、さっさと終わらせよ」



彼女はメガネを取り髪を結く。



「隊列は決まってるんでしょ」

「まぁ…」

「…ふぁあ…。んじゃ、早くして」



先頭は狗巻先輩と玉犬。

呪霊を察知して、戦闘を避けるためだ。

真ん中は禪院先輩と虎杖。

戦闘要員だ。

そして、最後尾は俺と玉犬。

後方からの呪霊に備える。



そして、釘崎は……元々戦闘要員だったのだが…。



「私、戦わないから」



そう言った彼女の護衛に。

釘崎は文句タラタラだけれど、とりあえず形は従うみたいだ。



「あの人…なんで来たの?」

「さぁ。でも、ナナミンが頼んだってことはそういうことなんだろ」



先程軽く準備運動している様子を見たけれど、どう見ても運動ができる体ではなさそうだった。

骨が浮き出るほど痩せていて、筋肉の「き」の字もないような…。



「そうそう……私の名前は鈴木ウルハ。みんなの目標は知らないけど…私の目標は一つだけ」



扉を開ける前に、彼女が声を張った。



「誰も死なないこと」



さぁ行こう、と言って鈴木さんはまた欠伸をした。


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