第48章 緊急事態
禪院真希────
『んー、どしたー?』
「緊急事態だ。外見てみろ」
『外……ああ、何か帳みたいなやつ見えんぞ』
「ホテルはギリギリ範囲外か…。今、その中に閉じ込められてる」
『閉じこめ…?帳だろ?』
「これ、千夏さんの領域らしい。とにかく、外の様子を教えて欲しい」
『…まぁ、詳しいことは後で聞くわ。折り返す』
「分かった」
釘崎野薔薇────
『どうした?怪我か?』
「あ、硝子さん?緊急事態」
『…確かあんた達は今沖縄だよな』
「そう。アイツが領域みたいなの作って、パンダ先輩以外が閉じ込められた」
『閉じ込められた?』
「出られる方法は棘先輩が探してくれてるけど、今んとこ出られません」
『…んで?私にどうしろって』
「アイツの術式とか、領域展開とか、詳しく教えてください」
『教えてって…。そういうのは私より学長の方が詳しいよ。千夏が領域展開できるの、ついこの間まで知らなかったし…』
狗巻棘────
ツナマヨ…
しゃけ?
…おかか!
伏黒恵────
『え、お土産?いらないいらない』
「違います。こっちは緊急事態なんですよ」
『緊急…。あの子が関わってる感じ?』
「中心ですよ」
『…詳しく教えて』
「宿儺が言うには、俺らは今”領域狷介”の中に閉じ込められているようで。これを作ったのが八乙女さんだと推測されます。今のところ被害はありません」
『領域狷介、ねぇ…。随分古い言葉だこと。他には?』
「自分達での対処は難しいと考え、手当たり次第に連絡を取ってるところです。何故か電波は通じてますから」
『う〜ん。僕は今日本にいないし、いたとしても駆けつけられるか微妙。そうだなぁ。七海に連絡してみるよ』
「七海さんでしたら、今虎杖が…」