• テキストサイズ

【呪術廻戦】infinity

第46章 舞文曲筆




「どうしてお酒を飲んだの?」



頭を上げず、そのまま考える。

この質問には答えられそうになかったからだ。




僕はお酒が嫌い。

不味いし、すぐに酔ってしまうほど弱いから。

でも、それでも僕はたまにお酒が飲みたくなる。

お酒は行き詰まったときに強制的に身を潰してくれるものだから。



ここまでは千夏にも話したことがある。

僕がこう言うと『じゃあ、悟がお酒を飲まないでいいように、私が癒してあげるね』なんて可愛いことを言ってくれたものだ。



「…どうしてわざわざ私に会いに来て、お酒を飲んだの?」






それは。






「私は…悟とあの家で会いたくなかった」



恐る恐る顔をあげれば、千夏がソファに座りながら七海の手を握っている。

七海はだるそうにしながらも、どちらの味方でもないことを示すようにそっぽを向いていた。



「…1人であの家にいることに、折角慣れてきたのに」



あの家を借りた時、僕は千夏の帰省に胸躍らせていた。

思い出しては、今の現状に反吐が出る。



「ごめん」

「謝って欲しいわけじゃない」



千夏の口が歪んだ。

そして、大きく息を吐いて言う。



「別れを選んだなら…それなりの対応をしてよ…」





”────!!”






頭が…痛む。

たんこぶのせいでも、二日酔いのせいでもない。



「責めてるわけじゃないよ。でも…悟が大好きなのに、恋仲でいられないのは辛いの…。今まで通りでいられると、余計に…!」



こっちだって、そうだよ…。

でも、千夏が無理して体を痛めてる姿を見ると、傍に居たくなっちゃうんだよ。



「っ…」



じゃあ、”俺”はどうすりゃいいんだ。





”殺せ。できぬなら、他にやらせるだけだ”






”彼奴だけは消さねばならない。何としてもだ”





/ 1115ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp