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【呪術廻戦】infinity

第46章 舞文曲筆



*****



「ん…」



頭が痛い。

内部も、外部も。



「いっ、たいなぁ…」



鉛のように重い体を起こして、頭を撫でるとそこにはたんこぶが出来ていた。

たんこぶが出来るなんていつぶりだろうか。



「…?」



それにしても、ここはどこだ。

ああ、キッチン…。





キッチン?





「…ん」



自分の姿も異常。

Tシャツ1枚に、下半身は露出している。





確か昨日は我慢できなくなって、千夏に会いに来て…。

酒を飲んで…。





ハッとなって周りを見る。

フローリングには白と透明が混じった液体が点々と…。






最悪の結果が思い浮かぶ。




「千夏…」




急いで立ち上がって部屋を見渡す。

どこにも千夏はいない。

別の部屋に顔を出しても、その姿はない。



「くそっ…!」



自分が酒を飲んだらどうなるか分かっていたくせに。

電話をかけても応答はない。

その場をウロウロしながら対応を考える。



浅い呼吸のまま硝子に電話した。



『…何』



また徹夜になってしまったのか、彼女はいつも以上に機嫌が悪そうだった。



「そっちに千夏いる?」

『死体しかないけど』

「何で…」

『知らねーよ。何、どうしたの?』



千夏が真っ先に頼るのは硝子だと思っていた。

もし、昨夜自分が暴走していたとしたら、野薔薇の元に行くとは考えにくい。



『…ねぇ、何?』



硝子の声に、電話が繋がっていたことを思い出す。



「…昨日、酒飲んだ」

『それで?』



僕が酒を飲んだ時にどうなるかを、硝子は知っている。

何年も前に飲んだ時には、彼女と…。




まさか、七海の所にいるのか?




『答えろよ』



ああ、電話、電話。



「…その。襲ったっぽい」



自分で言って、自分で傷つく。

いや…。

もし本当に無理矢理千夏を襲っていたら、傷ついたのは千夏の方だ。



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