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【呪術廻戦】infinity

第45章 酒の力


*****

「余計なことしてごめん」

「…ううん、ありがと。でも、ちょっと…頭痛いかも」



硝子の手を借りて、ベットから背もたれ付きの椅子に移動した。



「コーヒー?酒?」

「コーヒー牛乳」

「そんなのない」

「…じゃあ、水」



頭痛の原因は様々。

渡された水を一気に飲んで、1度深呼吸。



”今夜家行くからね♪”



「くそっ…。イライラする」

「…落ち着け」



今夜家に行く?

はぁ?

私はもうアンタの恋人じゃない。

理由があるとはいえ、別れようと言ったのはそっち。

適度な距離を保とうと言ったのもそっち。


悠仁のこと、今回の件のこと、呪力を使うなと言ったこと。

悟と話さなくてはならないことは沢山あるけれど、それを家で話す必要は無い。

あの家は1年近く悟と過ごした思い出の場所。

最近、やっと1人に慣れてきたのに、どうしてそれを邪魔するんだ。



「どうして邪魔するかなぁ…」



それに、人が死んで純粋に悲しんで、怒って、泣きたいのに。

どうして余計なことにイラつかなくてはいけないのだ。

1つの事柄に基づく感情に集中させてくれ。



「…五条側にも色々あるんだろ、きっと」

「なら、教えて欲しいよ」



この間、初めて私が暗殺されかけていたことを教えてくれた。

それはその時までずっと。

その事実を悟が1人で抱えていたということ。

私のことを殺そうとする動きが個々人ではなく、組織的に行われていたことは受け入れ難いことだったけれど、その事実を聞いて私は不思議と嬉しかった。

殺されかけて嬉しいのではない。

悟が話してくれたことが嬉しかったのだ。



皆は私のことを秘密主義だというが、悟も中々に秘密主義だと思う。


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